2022.12.8(木)
本日は、先週の日曜日(4日)に松島町は阿村体育館で行われた「災害ボランティアセンター運営協力員養成講座」の様子をお伝えします📝
さて、まずこの「災害ボランティアセンター(以下、「災害ボラセン」という。)」というものは、「災害時に設置される被災地での防災ボランティア(以下、「災害ボラ」という。)活動を円滑に進めるための拠点」で、「被災地のニーズの把握」に始まり、「ボランティアの受け入れ」や「人数調整・資機材の貸出し」などの業務を担っており、「阪神・淡路大震災」(1995年(平成7年)1月17日発災)を始めとする大規模災害に参集した多くのボランティアを被災者支援などのニーズに対して効率よく派遣・調整する組織として誕生したものだそうです。
そして、本講座の主催である「上天草市社会福祉協議会(以下、「市社協」という。)」は、「日常的に、地域において地域福祉推進の中核を担い住民主体のまちづくりに取り組んでいること、そして、日ごろから地域に根ざした活動を行っていることから、被災者の個別ニーズ対応から地域コミュニティ再構築まで息の長い支援を行う事ができる。」という特性を保持し、「地域の方々の顔が見える関係性」を基盤として活動にあたる基幹たる組織であるというのは、皆さんの方がよくご存知かと思います。
しかし、災害ボラセン運営の中心となる市社協のスタッフは限られていますし、「復興支援期」に「地元以外の災害ボラ減少」となっても継続したサポートを行える、「地元のことは任せろ!」という有志の方々の力が必要、というワケで講座が設けられたようです。
この日の講座は、山都町社会福祉協議会にご勤務されている主任福祉活動専門員さんが市町村災害ボランティアセンター設置運営アドバイザーとして講師を務められました。
山都町と言えば、先日、念願の橋の上からの眺めを妻と共に満喫して来たばかりの「通潤橋」をまず思い浮かべますが、ここも2016年4月の熊本地震で橋上部が損傷し、更に2018年5月の豪雨では通潤橋の歴史上“初”となる石垣の崩落などの被害を被ったものの、保存修理工事を経て一昨年の2020年から放水が再開となったことを考えながら橋の上に立つと、多くの方々の叡智で造り上げられたものが、また多くの方々の尽力で歴史の証人として復活したことには万感胸に迫るものがありました。
ところで、「何かお手伝いしたいけど、現地に行って片付けとかは出来ないわ・・・🥺」とか「トシやけん、行っても何も出来ん😥」と思われる場合があるかも知れませんが、講座では災害ボラ活動の主な内容として、「被災者の住居の後片付け、敷地内や住居内の汚泥の除去」、「避難所でのお手伝い(食事の世話、救援物資の配布など)」、「救援物資の仕分け(食料品、飲料品、衣類、衛生用品などの分別)」、などの他に、「災害ボランティアセンター運営のお手伝い」というものも“ボランティア活動”としてしっかり謳われておりますので、「できるしこ」で加勢させて欲しいという方は安心して手を挙げてみては如何でしょうか。
何も最前線に行って汗することだけが“ボランティア活動”ではありません。
力の要ることは馬力のある方々に任せて、その方々が安心して活動に取り組めるよう後方支援として「災害ボランティアセンター運営のお手伝い」がある、と考えてみると気負わずに済むかも知れませんね。
と、講師の方に穴が開くほど真剣な眼差しで受講されていた方々に向けたレンズが捉えましたのは、老人クラブ連合会の会長さん、区長さん、地区社協の会長さんに役員さん、協議体の代表者さん、民生委員さん、先ごろ行われた「災害ボランティア養成講座」(※)で講師をされた方など日ごろから地域を支える方々に交じりヤングな姿も・・・老若男女問わず、「助け合い」について意識の高さが伺えます。
さて、講話の中で、被災地におけるニーズは、フェーズ(段階、局面)によって変化して行くものだと説明がありました。
「人命救助」が最優先される第1フェーズ(発災直後)では、常日頃からの住民同士の繋がりが命を救うそうですから、「あの人は、いつもコッチの部屋で寝てるって言ってたよ。」とか、「アッチに勝手口があったはずだよ。」など、些細な情報を持ち寄ることがとても大切なんですね。
そして、近隣の住民同士、また、災害ボラ活動による家屋内の片付けや避難所での生活支援などにシフトする第2フェーズ(復旧支援期/ボランティア活動期)で、いよいよ「地元力」を結集した災害ボラセンの担う任務が大きくなる、というワケですね🔥
また、前述したとおり、徐々に被災者が避難所から自宅や仮設住宅などへ移り住み始める「復興支援期(第3フェーズ)」には、「地元以外の災害ボラ減少」となり、ニーズの数と質はフェーズの移行によって変化するものの、被災者の生活は元より「心」を取り戻すには継続したサポートが必要と仰っていました。
では、訪れた災害ボラの受け入れから活動への送り出しまで「災害ボランティアセンター」ではどのような流れになるのかについて。
まず、災害ボラを最初に受け入れるのが「ボランティア受付」
次に、「オリエンテーション」で概要説明をし、「マッチング・グルーピング」で支援ニーズに応じた人手の分配を行い、そして、「地図・送り出し」で活動場所の再確認をさせて、活動に必要な資器材を貸出したら、行ってらっしゃ~い👋・・・というのがザックリとした流れではありますが、座学はこの辺にして、そろそろ受講者の皆さんを「災害ボラセン」と「災害ボランティア」に分けて体験実習に移行するようです⛏
各ブースでは、市社協のスタッフさんの指導のもとで最初に体験実習をされる方々が鋭意準備中の様子
こちらでは、「災害ボランティア」を演ずる名優の皆さんが退屈そうに出番待ちをしている姿を見かねて、市社協地域福祉課の課長さんが即興でレクリエーションを開始🎤
フットワークの軽かですね~、流暢ですね~、困った時用のポケット引き出しが沢山あって羨ましかですな~o(ミ゚エ゚ミ)o!!
おっ?そんなこんなしてるうちに、災害ボラさんたちが災害ボラセンにやって来たようです💨
災害ボラが最初に訪れる「ボランティア受付」は、災害ボラセンの“顔”😉
「おはようございます!本日はご参加ありがとうございます!」と笑顔で迎え入れたら、ボランティア活動保険の加入・未加入を確認し各々に分かれて受付票に記入してもらい、名前を書いたガムテープをビシッと腕に貼ったら「オリエンテーション」へ進みます。
ヤングな少年も「できるしこ」というボランティアの心構えで災害ボラの対応に臨んでいますが、まず、この講座に参加していることだけでも凄い気宇であると私は思いました。
「オリエンテーション」では、災害ボラセンにおけるこれからの行程が示されたあと、「被災者の個人情報・プライバシー保護」、「団体行動厳守」、「被災者の立場になった言動に着意」など活動上の留意事項の説明を受け、次の「マッチング・グルーピング」に進みます。
「マッチング」では、被災者からの支援ニーズと災害ボランティアのマンパワーの組み合わせが行われます。
「〇〇という所で、〇〇をして欲しいという依頼がありました。必要な人数は〇名ですが、どなたか引き受けられる方はいませんか?」とニーズ対応者を募るのですが、実際の現場では結構シビアな依頼内容もあって「まいっちんぐ💦」となることも屡々ではないかと推察いたします・・・。
さて、2005年に映画化もされた「まいっちんぐマチコ先生®」という伝説的ギャグ漫画のことなどスルーして、次の「グルーピング」ではリーダーさんとサブリーダーさんの選出が行われていました。
が、なかなか「はいっ✋」と手は挙がらないものですよね・・・。しかしそこは展示を担う百戦錬磨の市社協スタッフさん、グループの雰囲気を瞬時に読み取って「じ、じゃぁ私が😅」と自ら挙手せざるを得ないように持っていく手腕・・・恐るべし。
そして、災害ボラの皆さんが士気高らかに活動へと向かえるよう、「グルーピング」のブースでは「えい、えい、おーーーっ٩( 'ω' )و!」と“鬨(とき)の声”で締められていました。
余談ですが、この「鬨の声」は「戦国時代の合戦において、開戦直前に士気を高める意味合いで「エイエイオー!」などと全軍で発する叫び声」のこと(参考:世界の民謡・童謡HP)で、「鬨」の「鬥」は、「たたかいがまえ(とうがまえ)」と読み、戦いや争いに関する漢字の部首として用いられるのだそうです。災害ボラの皆さんが立ち向かう現場は、ある意味“戦場”・・・士気と平常心を保つためにも大切な所作だと痛感しました👍
あちらは、災害ボラさんたちを輸送するアン〇ンマン号車両が活動場所へと出発するところのようです🚏
忘れ物はありませんね~?では発車しまーす🚌💨
気を付けて行ってらっしゃ~い👋
あら、もうコチラには活動を終えて戻って来られたグループが💦
そして、まだ活動資器材の貸出しも撮っていなかった💦
ここ「資材」の窓口では、リーダーさんが提出した資材注文票に基づき全員でチェック場所まで搬出し、係とともに資器材の種類と数量を確認してから、いざ活動場所へ持ち込み、となるワケですね🔧
活動から戻ったら、グループのリーダーさんは「活動継続の有無」や「不足資器材の有無」などについての報告があります。
依頼者から明日以降もまた活動の継続を要請された場合は、「希望日」や「希望人数」、そして「必要な資器材」などを報告しなければいけませんので、リーダーさんはグループの皆さんと一緒に活動に取り組みながらも、全体を俯瞰し、そして、今後のニーズ把握もしておかなければならない重責を背負っている、ということですね。
前半の体験実習を終え、休憩タイム⏱
今度は、「災害ボラセン」で対応に当たる方々と「災害ボラ」にやって来る方々とを入れ替えて後半のスタートです🏁
「はーーーい✋お疲れ様でした~、ボランティア活動から戻った方々はこちらに来て下さ~い📢」
というワケで、「災害ボランティアセンター運営シミュレーション」の体験実習は終了のお時間となりまして、講師の方から「災害ボランティアセンター運営側、そして、災害ボランティアの両方を体験できた良い機会となったと思う。災害ボラセン運営協力員として活動される場合、判断に迷ったときは市社協スタッフに確認を取りながら活動を進めてほしい。」と講座のまとめが述べられ閉講となりました。
本講座の講師、山都町社会福祉協議会にご勤務されている主任福祉活動専門員さんには、当日に撮影と情報発信についてお願いしたにも関わらず快諾下さいましてありがとうございました。
また、上天草市社会福祉協議会の事務局長さんはじめスタッフさん総出で臨まれた「災害ボランティアセンター運営協力員養成講座」を取材させていただいたお陰様で、地域の取組みをまたひとつ学ぶことができましたことに、深く感謝を申し上げます。
※11月中旬に行われた「災害ボランティア養成講座」について取材した、龍ヶ岳と松島の2会場の様子は、以下のリンクからご覧いただけます。