2022.8.23(火)
日差しが無いから快適かな~と期待して外に出た途端、空気が熱を蓄えてぶ厚い層になっているのが分かるような快適さとは程遠い昨日(22日)の午後は、地域おこし協力隊のY本氏から「粗大ゴミ片付け支援」を行うと情報をいただきまして取材兼作業員として臨むべく龍ヶ岳へと行ってまいりました。
現地に到着後、さてと現場を探し始めた矢先、「お!ここだな~」とドア全開の部屋を覗くと中でゴロ寝してる方が見えたりして超スリリングオープンな環境に怖じ気づく中、先ごろ姫戸で行われた「粗大ゴミ片付け支援」(※1)でも活躍していた軽トラを発見!またもドア全開のため外からから恐る恐る声を掛けると、中からは返事が返って来るとともに「心が折れました💦」と顔を出したのは疲労困憊した表情の親方(Y本氏)
案内された室内は、朝から足の踏み場も無いようなところで孤軍奮闘されていた親方の尽力あって動線は確保されていましたが、台風直撃?と見紛うほどの凄まじさ・・・🌀
この日は、先の住人が亡くなられたにも関わらず家財整理が着手されず住まない部屋の賃貸料金をご家族が払い続けている、という事案に関し、親方が行う「粗大ゴミ片付け支援」の取材と「粗大ゴミ」搬出の加勢という2点について声を掛けていただき参上した次第ですが、「了解!」とふたつ返事したものの現場を目の当たりにして「ムムム・・・」と“たじろぐ”気持ちを圧して使い慣れた革手袋を装着したら「やる気スイッチ」オーーーン🔥
・・・とその前に、2階の状況も確認
親方と軽トラに粗大ゴミを積載し処理場へと搬出している間、2階にあるこれらの諸々を1階へと下ろすのが私に課せられた任務です💪
と、上天草市議会議員のK垣氏が来訪
この日「粗大ゴミ片付け支援」の現場となった龍ヶ岳はK垣議員の出身地でもあり、現状の把握に来られたという事です。
そして、現場で「空き家」や「粗大ゴミ」という地域が抱える課題の解決支援にあたる親方地域おこし協力隊Y本氏と、「空き家」をどのように活用していくのが移住・定住につながるのか、また、本件のように亡くなった家族が住んでいた住居の賃料を「生活困窮者」が払い続けていることで更なる生活困窮になっていることの把握と解決を進める必要性など、多くの意見が交換されていました。
さて、「空き家対策」は全国的な課題であり、上天草市でもセミナー(※2)が開催されているのは皆さんご存じのとおりですが、空き家の存在を耳にしたり、恐らく誰も住んでいないだろうと思うような家屋を目にすることはあっても、こうしてその「現状」に足を踏み入れるというのは稀有な体験だと思います。
そして、粗大ゴミを積んだ軽トラを見送ったあと、希薄になった“生活感”と暮らしの“名残り”が混在する中、仏壇に飾られた写真からの視線を受けながらひとり片付けをするというのも然り。
2階から1階へと下ろすものは僅かな量でしたが、何もなくなると小さな達成感👍
また、庭の大半を占有していた錆付いた物置きと家電の幾つかを搬出した後は、地面が顔を出し動線も得られるようになり、白物家電の王様「冷蔵庫」もスムースに運び出すことができました。
ところで、今回親方地域おこし協力隊Y本氏が本件にあたることになったのは、先ごろ(8月10日)行われた「地域おこし協力隊活動報告会」で同氏が報告した「空き家活用」や「粗大ゴミの片付け」などを機に大矢野担当SC(生活支援コーディネーター)の山Kさんが「生活困窮者自立支援事業」の担当者さんへ繋いだことでカタチになったそうですが、本件は所謂「氷山の一角」であろうと言うのは親方もK垣議員も私も深く感じたところではあり、また、こうしてひとつの課題が解決へと進むことを積み重ねていくしかない、というのも一致した思いではありました。
が何よりは、今回の件は地域に根ざした社会福祉活動の中枢にいるSCさんだからこそ情報をつなげることができたものと感服した次第でありまして、こうした好例をひとつひとつ作って行けるといいですね。
余談ですが、地域おこし協力隊の募集要項に「活動終了後も、本市に定住する意思のあるひと」と記述があるとおり、私たち「地域おこし協力隊」は任期を終えた後も「上天草市に住み続ける」というのがお約束となっています。その一助として「上天草市地域おこし協力隊起業等支援補助金交付要綱」(令和元年12月27日告示第28号)が定められてもいます。が、任期を終えた後の住居は「空き家バンク」に登録された物件への入居はできず、「定住」に向けてのバランスを欠いている現実もあります。
これは、「空き家バンク登録物件」は「移住者=これから移住して来るひと」を対象としているからとのことですが、市自らが妙な足枷を掛けてしまっているという誠に残念賞なものと思わずにいられませんので、協力隊終了者から住みやすさの発信も行えるよう門戸を広くするなど見直しを図られますよう期待するところであります🏆
ついでに余談をもうひとつ。
市では「上天草市定住支援助成金」(以下、「定住助成金」という。)というものを設けていて、これには「引っ越し料金」の助成が盛り込まれているのですが、「空き家バンク」同様に「地域おこし協力隊」はこれに該当せず、北海道から妻と移住して来た私たちもモチロン自己負担です。
あら~移住者に差があるなんてねぇ・・・と思いやる気持ちを抱かれたアナタ、助成とは言うものの市は決して大盤振る舞いしてるワケではありませんよ。「定住しなくなった」場合には「返還」を命じると「定住助成金要綱」には記されておりますしその辺は十分に気を付けていただきたいので、勝手に貼ったリンク先をしかとご覧くださいませ📖
(「上天草市定住支援助成金」上天草市HP)
※1:姫戸で行われた「粗大ゴミ片付け支援」については、以下の記事をご覧ください。
※2:上天草市で行われた空き家対策セミナーについては、以下のリンクからどうぞ。