2022.6.23(木)
上天草市内には17か所の地区社会福祉協議会があり(中略)3年ぶりになるという「地域座談会」が5月20日から6月30日までの予定でほぼ毎日のように行われているところです。
・・・ということで、 「地域座談会 ~その1~」(※1)と同じ書き出しを“必殺技”「中略」でグッと縮めることに成功しましたので、早速、第2弾レポートとして中盤となる6月14日から6月21日までに行われた「地域座談会」をお伝えいたします。
まずは、14日に行われた龍ヶ岳の高戸地区社協から。
高戸の座談会テーマは「心配事・困りごとについて」です。
まず現状としては、「人口減少」、「空き家」、「ひとり暮らしのゴミ出し」、「避難場所が無い」等々が記され、これまで見学した座談会で共通の「高齢化・人手不足」についても「役員の成り手がいない」という意見も見られます。中でも、「地域との関わり」が希薄であることへの危惧は、「ひとり暮らしの高齢者」に限らず「転入者」についても同様のようで、これは、地域の顔が見える恒例行事の中止が続いていることの弊害のひとつであるかも知れません。
しかし、“解決策”として「ヨソから来た人会」的な集まりがあれば、「引きこもり」を防げたり、「ママさんの子育て相談」などで不安解消が図られたりするのでは?という意見も出ていましたので、気軽に自由に集まれるよう公民館や統括支所の一室を開放してもらうなどして孤立の解消が図られるといいですね。
日ごろからお世話になっている上天草市地域包括支援センターの「サブセンター龍ヶ岳」に勤務されているS脇さんも、“住民のひとり”として参加され色んな思いを述べられていらっしゃいました。
また、「認知症のひとへの対応」として「どこまで入り込んでいいのか」、そして、セールスの電話や訪問販売などがよくあり「高齢者のひとは対応できているのだろうか」という心配も挙がっていました。
その対策として、「警察に断り方を教わり周知する」や「上手にウソを言う」などが挙がっていましたが、先日の「おたっしゃ会」(大矢野町の協議体)で会長さんが『上天草の人は要るのも要らないのも「よか」と言いますが、不要な場合はちゃんと「要らない」と断りましょう!』と仰っていましたが、はじめから「騙そう」と悪意を持って近づくセールスなどは「よか、って言ったんだから、買ってもらわないとね~💀」と恫喝するそうですから、地域で気を付けるようにしましょうね🚨
次に、15日に行われた松島の阿村地区社協
阿村では、「生活改善」について話し合いが行われました。
『コロナ禍を鑑み「時短」でまとめる』という方針のため、この日までに見学して来た7か所目の座談会はすべて「グループワークの結果は後日まとめてお知らせ」というスタンスでしたが、ここ阿村では座談会“初”となる「発表」が行われました。
「カーブミラー設置個所が少ない」、「街灯が無く歩道が真っ暗」など『安全に暮らす』ことに関わることが列挙されていましたが、実際に「自転車による接触事故」があったそうですので、十分に注意を重ねて通行や横断するよう心掛けなくてはいけませんね🚲また、「子供への声かけ事案」の対処については、「こども避難の家」の協力者が減っている現状をカバーしようと「ウォーキングを下校時間に合わせてはどうか」という妙案が出されていました。
「民生委員の成り手がいない」と現職の民生委員さんが切実に訴えますが、その理由としては人口減少の他に「条件の厳しさ」があるようです。
政府広報のサイトによれば、「その地域の実情をよく知り、福祉活動やボランティア活動などに理解と熱意があるなどの要件を満たす人が民生委員・児童委員に選ばれる対象」とあり、まずは自治会などからの推薦を受け、その後、推薦会や審議会を経て厚生労働大臣からの委嘱受けに至るとありますが、さてハードルとなっている「条件」とは何なのか気になるところです・・・。
こちらのグループでは「初盆参り」のお返しや「お見舞い返し」はいらない、という意見がありましたが、一般的な香典返しは「人が亡くなってから四十九日後の“忌明け”に行う」とされるものの、我が故郷北海道では「即日返し」でしたし、葬儀当日は「会葬御礼」として略式の品物を渡し、忌明けに香典返しの品を送る関西の一部のようなタイプもるようで、地方によって様々ですね。熨斗がプリントになり、包装の代わりに熨斗紙を貼るだけになり、いろんな面で「簡略化」が図られれていますが、人と人の関わりだけは簡略化されないようにしたいものですね。
「通夜の席に普段着で参列できる雰囲気づくり」を進めてはどうか、という意見を上げたグループがありました。
必ずしも涼しくなった頃合いや明るい時間帯に斎場が取れるとも限りませんので、線香を上げに行って線香を上げてもらうことになったなんて冗談がホントにならぬよう、これからの季節は特に重要なことかも知れませんね。
また、「通院」や「買い物」などの移動手段に不安を抱えていることを挙げたグループでは、乗り合いタクシーの導入を求める声がありましたが、「将来、運転が出来なくなったら乗せてもらう約束」で先手を打っている人もいるものの、そう遠くない未来が「先細り」にならぬよう、これからも実効性のある対策を練る必要がありそうですね。
今回初めて知ったのですが、区長さんへの「手当て」は当該地区の戸数に応じて支給されるのに対し、民生委員はどれだけ相談対応や専門機関への中継をしても僅かな「活動費(交通費や通信費などに支弁)」が一律に支給されるだけなのだとか・・・。
区長さんも民生委員さんも、ともに「地域の安寧」のために大切な責務を背負っている職ですので、「遣り甲斐」という点からも支えをしてもらいたいものですね💴
続いて、16日には姫浦地区社協で開催されました。
テーマは、「心配ごと・困りごと」についてです。
これまで見学して来た座談会は、それぞれのテーブルに分かれて「ひとつのテーマについて考える」というのがポピュラーでしたが、姫浦版は、「テーブルごとに“サブテーマ”を揉む」というもので、『空き家問題』、『姫浦地区を利用するマナー』、『孤独感を感じているひとへの支援』について別々にグループワークが行われました。
空き家の庭木が伸び放題だったり、動物が棲みついてしまった「がジャングル状態」や、「台風時にトタンが飛んで来た」とか「潰れてしまっている」という安全に関わる事象も散見されるようで、のんびりと構えてはいられないことも多そうです。
ただ、「相談窓口が分からない」という点については、企画政策課に専従のコーディネーターさんがいますので、一度お話をしてみることをオススメいたします☎
「孤独感を感じているひとへの支援」という、一見雲を掴むようなテーマですが、「消極的なひと」や「家から出て来ないひと」にどのように関わるか、グラウンドゴルフや集会などがあっても「移動の問題」についてどうするか、また、「夢中になれる楽しみの見つけ方」は?など、多くの困りごとが挙がってくるのは、以前、地域で孤独死があったというのが影響しているのかも知れません。
そして、グラウンドゴルフへ誘い合おうとか、地域のひとが集まる“居場所”ができたと、先ごろ落成イベントが行われた「神いこいの広場」(※2)についての記載があったのは、整備事業の功績ですね⛳
「ゴミ出し」については、「収集日以外の日にゴミ出しをする人がいる」とか「ゴミステーションにカギを掛けても外に置いていかれる」という現状が挙げられていましたが、これは、姫浦に暮らす方々ばかりでなく、心無い「釣り人」の仕業だったりする場合もあるので、周知徹底は容易いものではなさそうですね。
だからと言って、お手上げ~🙌というワケではありません。防災無線で「ゴミの持ち帰り」について耳タコ放送をするとか、トイレの「案内看板」を設置してはどうか、そして、撒き餌で汚した場所をブラシして海水で流すのを見せれば真似をするはず!という『俺の背中を見ろ!』的なものも案出され、「美しい姫浦」のためにと腐心されていました。
「空き家問題」を話し合うグループでは、「あっちのグループは解決策がありそうなテーマだけど、ウチんとこはな~💦」とボヤキが意見に交じって聞こえたりしていましたが、3月から活動を開始した地域おこし協力隊のY本氏も積極的に発言をされていましたよ📢
20日は、大矢野の中地区社協が開催しました。
テーマは「地区のごみ問題について」です。
昨年度は、平成29年度から取り組んできた「災害に対する対応」の集大成として「防災マップ」を作成(※3)し全戸配布でその周知を図ったところですが、今年度は、ひとが生活するうえでの“永遠のテーマ”「ごみ問題」を議題とし、みんなでアイディアを出し合って解決の糸口を掴み、暮らしやすい地域づくりに結び付ける取り組みが行われます。
これについては、同じテーマを掲げた姫戸町の永目地区を担当する市社協の坂T氏も「参考にさせていただきます!」と職員自己紹介の際に言っていましたが、他のエリアでのアイディアや好例を自分の町や担当区に持ち帰り紹介するだけでも刺激になるはずですし、それらを参考にして足したり削ったりしながら実効性のあるカタチが作られていけば素敵ですね。
やはり、ごみ問題の“問題”となるところの中心は「分別」のようで、「分別が複雑で分かりにくい」、「高齢者には分別が難しい」という意見があり、「きちんと分別されていない」というのが多くのグループで聞かれます。
その改善策としては、「注意点を記した回覧板を回しても効果がない」という嘆き節の反面、当番や区長さんにとっては荷が重くなりそうな「その場で指導するしかない」という意見もありましたが、「分別の間違いを指摘したらゴミを出さなくなった」ということもあるようで、「分別できない」から「ゴミを出せない」になり、いわゆる「ゴミ屋敷」となる場合もあるようですので、言葉尻が強くなりがちな「注意」から「助言」的な物言いに努めるとか、難しいなら手伝いをお願いするなどの心配りと支えでひとつずつ解決できるといいですね。
また、分別しないゴミはどうなっているかと言えば、「他人の土地に捨てている」という不届き者や、「海に捨てているひと」や「夜に不法に捨てているひと」も散見されるそうですので、そりゃ~婦人会の皆さんがゴミ拾いの活動(※4)を重ねても減るワケがないですな💦
まぁ我が家から見えるゴミステーションでも収集日以外に放り込むひとはいますし、奥に入れれば良いだけなのに足で踏みつけて無理やり戸を閉めているひともいます。そして、「若い人がゴミ出しに来ないが、どこに出しているのか」という意見同様に、我が家のエリアの集積所でも月に一度の分別ゴミの日には区長さんと一部のご年配の方々と会うだけで、若いひととは会ったことがありません。・・・どこに出しているのか知らんですケド、可燃物に混ぜたり、その辺に捨てたりだけはしないで欲しいものです😅
座談会の締め括りは副会長さんから、回覧されるお知らせに記された「声かけよう~あたたかい言葉に笑顔を添えて」、そして、「回しましょう~ひと声添えて回覧板」という言葉がとても素敵だと紹介がありました。
私が暮らすアパートには何故だかこのシステムがありませんけれど、“回覧板”によって顔を合わせたり言葉を交わす機会が生まれるのはとても羨ましいことだと感じました。
中盤レポートの締め括りは、21日に行われた大矢野の上地区社協です。
テーマは、「地域でできる児童・生徒の見守り支援について」です。
これは、大矢野町の協議体「おたっしゃ会」でもテーマになっているもので、高齢化同様に歯止めの効かない少子化のなか、まずは「現状を知ろう」とグループワークが行われ、「①現状で良いところ」、そして、「②現状で気がかりなところ」が案出されました。
まず、良いところについては、「登校時の見守り隊がいる」、「挨拶ができる」、「スクールバスで安全に通学できている」などがグループワークのほとんどで挙げられていました。
そしてこの「見守り隊(交通安全活動)」については、「親が見送れない場合もあるなか、地域の方々の見守りがありとても安心できる」や「心強く安心」という意見が添えられ、地域の子供たちを自分たちの手で守るという意識が具現化され、また、有効に機能していることを知りました。
次に、気がかりなところは、「一列にならずに自転車に乗っている」、「中高生の部活帰りの暗い夜道が心配」など交通安全に関するものが多く挙げられ、中には、「スクールバス下車後に交通量のある狭隘な道路を歩くのが危ない」という土地柄ならではの心配事も並んでいました。
また、「コロナ禍で行事参加が無くなり、どこの子供か分からなくなった」、「子供会が無くなり、子供がどれだけいるのか分からなくなった」と、関わりの希薄化を危惧する声も尽きません。
意外だったのは、“良いところ”に「挨拶ができる」ということが挙がってはいたものの、制服を脱いだ土日、特に中学生くらいになると「挨拶ができない」というもの。
しかしながら、「結果をすぐに求めるのではなく、大人が“手本”を示せば次第に改善するのでは?」と継続が実を結ぶことに期待を寄せる意見もあり、さて見られても恥ずかしくない背中だろうかと私も自戒自制するところであります。
※1:地域座談会の序盤(5月20日から6月10日)については、以下のリンクからご覧いただけます。
※2:「神いこいの広場」で行われた落成記念グラウンドゴルフ大会については、以下のリンクをご覧ください。
※3:中地区社協が防災マップ・ガイドの作成にあたった様子は、以下のリンクからご覧ください。
※4:中地区婦人会を基幹としたクリーン作戦の様子は、以下のリンクからご覧ください。