2022.6.16(木)
上天草市内には17か所の地区社会福祉協議会があり、コロナ禍で各種事業が延期や中止になるなか「勉強会」を行ったり「防災ガイド」を作成したり「出前講座」を受講したりと工夫を重ねて活動を重ねているところですが、新型コロナウイルス感染症対策に係る熊本県リスクレベルや市内の感染者数などの趨勢を鑑み実に3年ぶりになるという「地域座談会」が5月20日から6月30日までの予定でほぼ毎日のように行われているところです。
ということで本日は、序盤となる5月20日から6月10日までに行われた「地域座談会」について、第1弾レポートとしてお伝えいたします。
では、座談会の皮切りとなった樋合永浦から💨
地区社協会長さんから、樋合永浦地区の地域福祉に関する意識調査結果の説明がありましたが、中でも「地域の中で困っている世帯があった場合にできること」という設問に「安否確認の声かけ(見守り)」や「話し相手」という回答が多いのは、なるほど押しつけない姿勢で生活支援ボランティアを行う「ひとりじゃないよ!なでしこ会」の活動スタイル同様に、構えない、そして無理をしない「できるしこ」の精神が活きているように感じました。
移動手段として意見が上がった「乗合タクシー」(※1)については、樋合永浦地区における利用者がとても少ないそうですが、その理由のひとつに「予約要領の周知不足」というのがありそうです。
例えば、当該日の第1便は「前日予約」が必要ですが、それ以外は「出発時刻の30分前までに予約」でオッケー👌そして、運行する曜日に差異がありますけれど、さんぱーるやAコープは500円、ゆめマートなら400円で行けること等々、参集された中ですら不案内の方がいらっしゃるようでしたので、生活に支援を要する方となれば・・・察するに余りあるような気もいたします。
他にも、「〇〇〇町を通ったとき、燃やしてるのをよく見るケド、どーしてココはいかんと?」と「ゴミの焼却」についてその可否や現実的な手段について話し合ったりと、疑義を持ち帰らないよう多くの話し合いがされた意義深い機会の見学になりました。
さて次は、5月26日に行われた樋島の座談会です。
樋島地区社協会長さんは、固いイメージの「地域座談会(ちいきざだんかい)」に「つ」を入れて「地域雑談会(ちいきざ“つ”だんかい)」で行きましょう!と、年齢関係なく自由な発言を望む思いが述べられ、また、「子供たちにも来て欲しい」という思いもあって、“元”子供たちの中に現役の少年、そして、青年たちの姿もあり、とてもフレッシュな雰囲気だったのが印象的でした。
今回、日々の暮らしにおける「困りごと」を列挙し、それに対する「解決策」を案出し、その中から「何を優先的に取り組むべきか」という、海より深いテーマでしたが、「今」と「これから」を見据えた課題が書かれた付箋がどんどんと貼られていきます。
「買い物に困る」、「空き家対策・活用」、「避難所がない」、「道が狭く救急車が入って来られない」、「橋が壊れたら生活できない」などなど生活に密接した切実なものがあれば、「墓の管理」という永代の課題もあり、実に様々な困りごとが浮き彫りになっていきます🚑
解決策としては、一朝一夕では難しいものも多くありましたが、コロナ禍だからこそ自分たちでできることを推し進める大切さについて話し合われていました。
さて、会場でいただいた資料によりますと、「地域座談会」とは『地域で生活するうえでの不安や困りごとを座談会員によって話し合い、解決方法を見つけながら、自分たちで、そして、地域で出来ることを話し合う場』で、その「座談会員」とは『地域で出来ること”に住民を巻き込む役割り』を担うということのようで、思いをカタチにしていく代表者として楽しみながら地域づくりに関わっていけるといいですね🍀
教良木の座談会員さんたちは、5月30日に座談会を行いました。
教良木河内地区における地域福祉に関する意識調査で「地震や風水害などの災害に対しての備え」の問いに「特に何もしていない」という回答が多かったことから、『災害時に住民が支え合う地域づくり』が座談会のテーマになったと理由が述べられましたが、風光明媚な上天草とはいえ50年前には「上天草大水害」(1972年(昭和47年)7月6日に山津波が発生)で甚大な被害があったことを考えても、まさに「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉のとおり物心両面の“備え”はとても大切ですね。
非難についての現状解決策のひとつとして「市の避難情報アプリの活用」が挙がり、また連動するものとして「スマホ教室の開催」も掲げられていましたが、「高齢者にやさしく」と言うが、何でもかんでも「情報はホームページ」となっていて、これが高齢者にやさしい世の中ないのか?という意見があったように、特に「命に関わること」についての周知はデジタルに依存し過ぎない方策が必要である教訓を得ました。
さて、6月最初の座談会は、維和地区社協です。
維和地区における座談会のテーマは「防災について」です。
お住いのエリアごと4つのテーブルに分かれ、まずは当該地区内の「避難所」を探してマークし、続いて、市の防災マップ(※2)を参考に地図上の危険個所をプロットします。そして、避難する際の要支援者についても、日ごろからの見守りや積み上げられた情報が持ち寄られ地図上にシールが貼られていきます。
この日は、地域の課題の第一歩として自分たちが暮らす地区の現状を視覚的に認識できたことは意義深かったのではないかと感じました。
私としては、短い時間ながら頭と頭がぶつかるほどに詰め寄って維和版の防災マップが作られていく様子を動画で撮りたかったなーと深く反省💦
翌日の9日は、姫戸は二間戸地区社協です。
本郷、団地、西川内、神代の4地区で構成される二間戸のテーマは「家族の健康や介護について」です。
グループワークでは、「困っていること」の欄に「今は特にないが“今後”のこと」と付記して「ひとり暮らしでの生活」や「入所するまでの身の回りのこと」などが列挙されているテーブルがありましたが、「今後の取り組み」については「百歳体操」や「グラウンドゴルフ」など健康寿命を延伸するものがその対として記され、更に、「食生活の改善」や「健康診断の受検」などが挙げられており、市の健康づくり推進課から誘導員が潜り込んでいるんじゃないかと思うような実践項目が並びます。
「買い物」や「通院」の課題に対する解決策として、「買い物ツアー」や「スクールバスの活用」を上げているテーブルがありましたが、やはり「移動販売」もいいケド品揃え豊富な「スーパー」で品定めをしたい、というのが本音ですよね~🛍そして、登下校時以外は待機となるスクールバスに目を付けるなんて、スゴイですね~🚌
そう言えば、以前、企画政策課から「SDGs未来都市の提案書に記載する事業アイデア」の提出依頼があり、『買い物弱者が買い物に出かけて、利用者も企業も健康に』と題し、「自動車と運転手を備える介護施設などの協力(施設利用者の送迎以外の時間を活用)を得て利用者の移動手段(ワゴン、マイクロバスなど)を確保」や「商用施設との協働により買い物用の専用ワゴン(次世代ショッピングカート「楽々カート🄬」)を導入」により、『企業(移動サポート、買い物施設)が信頼を得る、商品の購入により売り上げが伸びる、利用者の満足が得られるなどが期待できる。』と提案したのを思い出しましたが、不採用なのはイイとして募集しといてウンスン無いのはアレですよね(笑)
さあ~第1弾の締め括り、10日に開催された永目地区のテーマは「ごみ」についてです。
姫戸町の協議体「みつば会」における令和4年度のテーマも同様で、先月の会合では、ごみ出しの現状についての「生の声」として本郷老人会の皆さんに協力いただいたインタビュー映像(インタビュアー:エリア担当SC(生活支援コーディネーター)H本さん、動画撮影:私)の中で「今は何とかなっているけど、あと数年先となると・・・」という声がありましたが、大丈夫な「今」は黙っていてもこの先に続かないことの再認識、そして、住みよい永目がこれからも続くようアイディアを出し合いましょう!と永目地区社協の会長さんから気合が込められました🔥
住むところは違えても、多かれ少なかれ「ごみ」の問題ってどこでもありますよね~🚮
この日のグループワークでも、「燃やしてはいけない“ごみ”を燃やしている」とか「分別が複雑で把握できない」、「ペットボトルを洗わずに出している」などなど、様々な現状(困りごと)が記された付箋が模造紙を埋め尽くしていきました。
その中で、例えば「ごみ収集日の前日に出すひとがいる」や「高齢になると早朝にごみ出しするのが大変」という現状があるものの、「可燃ごみを前日に出すことを可とする」というルールで不便さや困りごとの解消に取り組んでいるところもあるようですので、各テーブルで案出された幾つもの方策の中から参考にしたり加除修正したりして自分たちの暮らしやすさに当てはめていけるといいですね。
※1:乗合タクシーについては、以下に市のホームページのリンクを貼りましたので参考にしてください。
乗合タクシー ※令和3年12月ダイヤ改正|上天草市
※2:上天草市防災マップについては、以下に市のホームページのリンクを貼りましたので参考にしてください。
上天草市防災マップ|上天草市