上天草市地域おこし協力隊 ~北海道から移住してみた~

地域おこし協力隊活動と上天草の魅力を発信します

思いを伝える、ということ ~人生会議・わたしのノート~

2022.5.25(水)
本日は、今月上旬から市内各所で開催された出前講座「人生会議・わたしのノート」での様子をお伝えいたします。
人生会議」(=アドバンス・ケア・プランニング(ACP:Advance Care Planning))とは、『もしものときのために、自分自身がが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み』のことなのですが、高齢者ふれあい課の社会福祉士K﨑さんが、逸話やご自身の家族の例話などを用いてこれを分かりやすく説明していただけるというのが本講座です。

まずは、5月9日(火)に中公民館で行われた中地区婦人会主催の講座から。

以前は市内各所にあり活動が盛んに行われていたけれど昨今は解散が相次いでいる・・・と、この日の空模様より暗いお話しばかりが聞こえている“婦人会”ですが、ここ中地区の婦人会の皆さんは明るく元気に様々な活動を行われていて、以前そのひとつである「柳港クリーン作戦」(※1)を取材させていただいた折にも地域への思いとフットワークの軽やかさに触れたのが印象に深く残っているところです。
そんな地域を下支えする皆さんが、そぼ降る雨の中こんなにもたくさんお集まりになりました。

出前講座「人生会議・わたしのノート」については、これまで度々取材の機会をいただいているのですが、私の家族のこと、そして、北海道で暮らす両親のことに当てはめながら拝聴するその都度「うんうん、そうだよね。」と腑に落ちることが幾つもあります。

「人生会議」は、「どのように“死”を迎えるか」を話し伝える場ではなく「どのように“生きる”のか」がテーマ。そして、アレコレと決めてしまうのではなく、こんな風に、あんな感じで・・・と“大まか”なことを伝える場
ですので、コロッと気持ちが変わることがあれば、「やっぱなぁ」と立ち止まることもあるでしょう。そして、ご家族などの賛同や協力を得るためにも、「でもなぁ・・・」と考え倦ねていることも伝えるのは大切だと思います。

調整なしの取材のお願いでしたが、きっと毎度の事で慣れてしまったかも知れませんけれど、快諾下さいました中地区婦人会会長さん、そして、婦人会の皆さん、ご協力ありがとうございました。

続いて、5月13日(金)に阿村交流センターで行われた出前講座です。
この日は、今年度から新たに役員になった方々もお集まりになった阿村地区社協総会に続いての講座でしたが、地区社協会長さんには取材にふたつ返事で快諾いただきまして感謝申し上げます。

がんを患った父が娘のソフトボールの試合を観戦した翌日に息を引き取ったある「生き方」の紹介は、見る度に胸が詰まります。そして、思いを伝えられなくなる前に日ごろから伝えておくことの大切さを、見る度に痛感いたします。

講話の終わりに、市社協の西Mさんが「帰ったら、早速娘に伝えます!」と仰っておられたとおり、お話しの中であったように“かしこまって”というものではなく、普段の会話にひとつまたひとつと「思い」の浮かんだものから伝えていくのがイイかも知れませんね。

阿村地区社協会長さん、総会にお集まりの役員の皆さん、取材にご協力いただきましてありがとうございました。

そして、本日5月25日(水)の出前講座は、合津地区社協総会に引き続き行われたのですが、会場である天草青年の家は、グラウンドゴルフ大会の取材で数回訪れてはいましたけれど、建屋に入るのはそう言えば初めてでした。
ところで、「合津地区社協」と「グラウンドゴルフ」で思い出しますのは、地域おこし協力隊として活動を開始した翌月の11月に取材した「合津地区社協+赤い羽根共同募金GG大会」(※2)ですが、もしかしたら本日臨席された方々の中にあの時プレーしていた方がいかも知れませんね⛳

「死ぬときぐらい好きにさせてよ。」
本講座を取材する度、短切明瞭な名言だなぁ~と思うのが、“女優 樹木希林”さんが遺したこの言葉
この思いのとおり、亡くなる前日に自宅に戻り家族が見守るなか息を引きとったそうですが、苦労に苦労を重ねて来た人生の幕引きくらい苦労しなくて済むよう、そして、家族に苦労をさせぬよう、自らの「決心」とその実行に協力してもらう家族の「決心」を導くためにも、「思いを伝える」ということはとても大切ですね。

急な取材のお願いのところ、快く受け入れて下さった合津地区社協会長さんに感謝申し上げます。そして、総会受け付けや受講されている方々の中にお会いしたことがある方がいたことに勝手に安心して撮影させていただきましたが、役員の皆さんにも取材協力を感謝申し上げます。

さて、論語に「人無遠慮、必有近憂」という一節があります。
邦訳すれば「人遠き慮り無ければ、必ず近き憂え有り」で、「遠い将来を見越した考えを持っていないと、必ず目前に心配事が起こるということ。」という意味になります。
「目前に起こる心配事」が自ら解決できるものなら大事には至りませんが、最悪の場合にはその幕引きを家族や周囲の方々に委ねるほかない場合もありますので、遠いとは限らない「将来を見越した考え」をしっかりと伝える、というのはとても大切なことだと「人生会議・わたしのノート」を取材して感じるところです。
今回取材した「人生会議」、『もしものときのために、自分自身がが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み』というと何だか重く感じてしまいますが、講師のK﨑さんが仰ったようにさしより「あのな、、、」というところから「今の思い」を伝えることを始めてみては如何でしょうか。

※1「柳港クリーン作戦」の記事は、以下のリンクからご覧ください。

kami-amakusa.hatenablog.jp

※2:「合津地区社協+赤い羽根共同募金GG大会」の記事は、以下のリンクからご覧ください。

kami-amakusa.hatenablog.jp