2022.2.21(月)
本日は、先週の19日(土)に矢野総合体育館会議室で行われた「空き家を活用したまちづくりセミナー」の様子をお伝えいたします。
皆さんご存じのとおり、16日から“新型コロナウイルス感染症対策に係る上天草市リスクレベル”が「5(厳戒警報)」になりましたので「こりゃ延期かな~」と思っていたのですが、予想のナナメ上↗をすっ飛んでの開催となりまして何よりでした🚀
この「空き家」に関するセミナーについては、先月の27日(木)に行われたものも見学いたしましたので、併せて読んでいただけると幸いです。
さてこの日は、先日のセミナーでも登壇された“一般社団法人古民家再生協会熊本”の代表理事さんが「日本の現状と将来」について、次に“株式会社 Reborn”の代表取締役の方が「地域資源の空き家活用法」と題して『空き家』と『まちづくり』の具体例をお話しいただきました。
この日は、受講者の方々がこんなにたくさん。先回はちょいと寂しいカンジでしたが、土曜日の開催ということもあってでしょうか、盛況で何より😌
まず、“一般社団法人古民家再生協会熊本”の代表理事さんからは、「空き家問題」は上天草だけではなく全国的な課題であり、課題を課題として認識しいち早く着手することが大切、というお話がありました。
幸いにも上天草市では、「全国空き家アドバイザー協議会熊本県上天草支部」が先ごろ設立され、これは「上天草に住む人が『自分のまちのこと』として考え取り組む意気込みの証左』と評されていましたよ☝️
また、「住み慣れたところに住み続けたい」と思う人々が多いと「空き家」は少ないという傾向があるらしく、と言うことは、「住み続けたい」という地域づくりが叶えば「空き家」は減る、ってことですよね。
・・・もちろん、就労や育児のことなどクリアしなければいけない課題は少なくありませんが、「空き家の再生<空き家の発生」という現状を踏まえつつ「地域の魅力化アップ」と「空き家の発生抑制」とを考えるとき、上天草には地域づくりの礎である「支え」や「互助」などボランタリーな働き掛けが広く深く存在しているワケですから、まずは、生活の中にある「当たり前」をそこに暮らす人が「魅力」として再認識することが必要では、と拝聴しながら感じたところでありました。
次に登壇された“株式会社 Reborn”の代表取締役さんは、設計事務所で住宅の設計に携わっていたところ、「空き家の価値」に開眼👀し2018年から新築設計の受注をやめ、現在の会社を設立して「地域の空き家を活かすプロジェクト」に取り組んでいるそうで、マイナーイメージが先行しがちな「空き家」は、“古い”、“ボロい”だけではなく「可能性」の詰まった「地域資源」だと仰っていました。
具体例として紹介されたのは、空き家バンクに登録したもののなかなか買い手がつかずにいた物件をリフォームし、そこでマルシェ(※1)を行ったもの。
「次の開催はいつ?」「え?今日だけなの」という反応に溢れた山鹿市長坂の好例は、そこに暮らす人たちと“こだわり”を売る人たちとが結ばれた場となり、「空き家活用と地域に喜ばれる商売」をコンセプトに掲げた活動の結実とのこと。
また、熊本市内の住宅地にある大きな家に関する例は、「売りたい」という所有者の思いとは裏腹に利子も付かず10年間バンク入りしていた物件が、リフォームせずに「賃貸」というカタチで活かされたものとして紹介されました。
ココは現在、地域のボランティア組織が「こども食堂🍙」として運営する場として使用しているそうですが、9月に物件情報をアップしたところ11月に契約となったらしく、発信した空き家の「活用案」と「ニーズ」が見事マッチした好例はそれだけにとどまらず、唯一の課題であった駐車場🅿️が無かった件が地域の人からもたらされた情報により解決したというオマケ付き。
やはり、「地域力」が課題解決の大きなカギになるというのは明らかですね🔑
質疑応答では、受講者の方から「広報紙や回覧板で『空き家バンク』について回って来ても、見ない人がほとんど📋️」と突き付けられた現状は、企画政策課の担当者I野氏の胸をグサリと貫いたような気がいたしましたが、重ねて「直接、地域に出向いて話しをする機会をつくる必要がある。」というニーズが発信されたということは、今日のセミナーが有意義であったことの証しですね。
さてさて、2回に亘ってセミナーの様子を書きましたが、撮りながらメモしながらということで“抜け”がありお伝えできていない点があると思いますので、「ウチは、どぎゃんしようかねぇ?」とふと頭に浮かんだ折には、企画政策課(※2)にまず電話してみるのをオススメいたします。「空き家について聞きたいんだけど・・・」から見えてくることがあるかも知れません。
また、私は企画政策課の担当者I野氏からいただいたチラシ「空き家バンクに物件登録しませんか?」を持ち歩いていますので、ご所望の方は声をかけて下さいませ。
裏面の「かんたん登録前チェックシート📝」を使って、まずはご自身のことを再確認することから始めてみては如何でしょう。
そうそう、“一般社団法人古民家再生協会熊本”の代表理事さんが興味深いお話しを紹介されていましたよ。それは、「人口密度順に色塗りした日本地図🗾」について。
「人口密度順に市町村を塗っていき、国内人口の半分になったところで止めた結果がこちら。」というタイトルで日本地図が紹介され、そりゃ都市部の人口が多いでしょ?と思いきや、案外そうでもない・・・というお話し。
なのわに on Twitter: "人口密度順に市町村を塗っていき、国内人口の半分になったところで止めた結果がこちら。… "
色が塗られている地域に国内人口の半分が住んでいる。また、赤色の部分だけで国内人口の25%を占めている、ということで、主要都市圏に色が塗られるのは当然ながら地方の小さな町にポツンと色がついていたして、人口が特別多くなくても、面積が狭いと人口密度が高くなりやすいため、このような結果になったそう。
(参考:なのわに氏 @naniwa_osaka9)
・・・それにしても、日本に住む人々の1/2がこの色塗られたエリアにいるってことは、白い広大なところにポツポツと散らばってるということで、先回の空き家セミナーでも記した「20年後の2040年には、自治体の半数が消滅!」というショッキングな話題が現実味を帯びていると痛感いたしました。
※1:マルシェ(marché)とは、フランス語で「市場」を意味する言葉。路上や広場で個人が主に野菜などの食品を取り扱い、売る商品に関係なく生産者や製作者が直接消費者に商品を販売するスタイル。近年は、似て非なるマーケット(market)や、バザー(bazaar)などを組み入れてマルシェとして開催するところが増えてきている。
※2:企画政策課の電話番号【0964-26-5539】