上天草市地域おこし協力隊 ~北海道から移住してみた~

地域おこし協力隊活動と上天草の魅力を発信します

台風の目 ~よらんかなによらんかな~

2021.9.26(日)
本日は、統計上「台風襲来」の回数が多い日だそうです。1954(昭和29)年は青函連絡船・洞爺丸を転覆させた「洞爺丸台風」、1958(昭和33)年は「狩野川台風」が伊豆・関東地方に来襲し、翌年の1959(昭和34)年には「伊勢湾台風」が東海地方に上陸するなど、大きな爪痕を残した台風が上陸したのは何故か9月26日が多かったようです。
そんな事象から半世紀以上経った秋空が爽やかな本日、姫戸町は牟田の「故郷コンビニ『よらんかな』」を訪問してまいりました。

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故郷コンビニ「よらんかな」

ここ「故郷コンビニ『よらんかな』」は、「高齢化率が高い“姫戸”、“龍ヶ岳”両地区の『買い物弱者』の救済」を目的とし、市の「まちづくり事業推進」を受け平成27年度から稼働しているものです。 これは、前年度に市の「まちづくり事業推進」の助成で始めた「食事作りが困難な高齢者への『おかず弁当』の配達事業」と「拠点施設を交流の場として開放し地域を活性化する」ということの延長線上にあるもので、「生まれ育った姫戸が好きだから💕」という深い愛をカタチにするため「NPO法人おかげさまで」を立ち上げた熱いご夫婦が経営されております。

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MRIってなに~?

家族連れの太公望で賑わう牟田港を少し歩いてからお店を訪問しましたら、既にお客さんがいらっしゃいました。 が、「目が見えにくけんな」と言うこちらのご婦人は病院からもらった「問診表」を書く手伝いをしてもらいに来店されたそうで、項目ごとに読み上げてもらっておりました。

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これステキよね~

あら、ご高齢じゃない方も買い物に来るんですね~と思いましたら、“納品”での来店ということで、お店の一角の衣類コーナーに新たに数点が並びました。
上等な洋服が箪笥の肥やしになるのは勿体ないですし、誰かの不要になったモノがこうして誰かの必要になるために箪笥から出て来るというのは、素敵なことだと思います👕

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ビールば注文したったい🍺

開業前に行った「買い物支援ニーズ調査アンケート」を参考に商品をラインナップさせているとはいえ、経年と共に変わるニーズ対応はご苦労も多いと思いますが、店頭にないものは「注文」を引き受けるそうで、こちらのご婦人は「晩は、寿司とビールで“ごっつお”だよ~」と終始笑顔でいらっしゃいました😆

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よかろ~🍣

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これはナンボかい

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買い物の帰りに

買い物に来店するご婦人が途絶えた一時、店主奥様と同年代の方々がこの席に集まりました。
畑仕事のこと、個々に頑張っている人はいても総力にまとめるリーダーがいないこと、集落のためにと力を注いでも足を掬われ次第にエネルギーが奪われてしまうこと・・・牟田に生まれ育ったからこそ分かる「今」と「昔」を聞かせていただくことが出来ました📝
以前、「お前のしてることは誰も喜んどらんぞ、と面と向かって言われた。」と龍ヶ岳で活動する代表者さんから聞いたことを思い出しましたが、「出る杭は打たれる」というとおり変化を求めないひとはいつでもどこでもおりますけれど、「加勢せんでいいから邪魔せんでくれ」というのが正直な気持ちだと思います。

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極早生うまかよ~🍊

買い物あとのご婦人には、「こっち(上天草)は、どがん?」と尋ねられ「住みやすさ」や「ひとの良さ」などの感想や北海道のことをお話しさせていただき、ご婦人方からは、こちらでは鮍(かわはぎ)のことを「すっこべ」と呼ぶことや鯵や鮗(このしろ)などのオススメの食べ方を教えて下さったりと、とても穏やかで温かな時間を過ごさせていただきました。

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帰るけんねー

2時で店番交代ということで、到着されたご主人からも地区における「出る杭は・・・」のことや助成事業とは言え「計画と実際」は融通無碍であるべきだろうという思いなどお聞かせいただくことが出来ました。
ここ「故郷コンビニ『よらんかな』」での滞在は僅か2時間少々ではありましたが、「こん人に命ば助けてもろうとるけん」と食品を売っている存在をありがたく思う方がいれば、通院先の書類を書く手伝いを頼みに来る方もいて、“ちょっと寄れる場所”がここにあるということが暮らしの中の安心感に結び付いていることがよく分かりました。
また、市内各所を訪問した先で「リーダー不在」を聞くことがありますが、それは「出る杭は打たれる」ということを危惧してのことが少なくないことを痛感いたしましたし、逆に、先のことを考えるとそうならざるを得ないようにも思えました。
ただ、「何とかしたい」という思いは必ずしも鋼でできているワケではなくそれを支える周囲があってこそ強くなり、どこからか湧き伝染する誹謗や中傷にも鍛えられてそれらを跳ね返す総力となるんだとも考えます。
高齢になった方々の子どもにあたる世代に「集落の暮らしを少しでもいいものにして継いでいきたい」という火種があることを誇り、その有志達が掲げる思いや注ぐエネルギーが枯れ(涸れ)果てて「もう、いいや」とならぬよう、僅かでも追い風が起こることを祈らずにいられません。

さて、台風襲来が多いとされる日と真逆で穏やかな本日でしたが、沖ノ鳥島近海では台風16号(MINDULLE)がじわじわと勢力を増しているようですので、こちらはエネルギーが早々に無くなりますようにとお祈りいたします🌀

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